■アルカンの名前
・nが1から10までは覚える。
・アルカンの名前が基本となる。

n=1  CH4   メタン
n=2  C26  エタン
n=3  C38  プロパン
n=4  C410  ブタン
n=5  C512  ペンタン……ペンタゴンのペンタ。角は5つ。
n=6  C614  ヘキサン……ヘキサゴンのヘキサ。角は6つ。
n=7  C716  ヘプタン
n=8  C818  オクタン……オクトパス(たこ)のオクト。たこの足は8本。
n=9  C920  ノナン
n=10 C1022  デカン

■アルカンの製法
・石油や天然ガスの主成分。
・天然ガスはほとんどが メタン 。
☆受験では製法は天然に多く存在するのでほとんどでない。

■アルカンの性質
@炭素数が少ないものは常温・常圧で気体。n=5から液体、n=15くらいから固体
★理由
・分子量が小さい⇒分子間力が小さい。⇒沸点が低い。(直鎖状は固体になるのが早い。真っ直ぐ長いものは表面積が広く分子間力が強いため。)
A可燃性、燃料になる。(イメージ→メタンガス、プロパンガス)
B反応に乏しい。
C置換反応(光の紫外線照射下)をする。
Dn=4(ブタン)から構造異性体が存在する。

■メタンの塩素との置換反応
・メタン→クロロメタン(塩化メチル)→ジクロロメタン(塩化メチレン)→トリクロロメタン(クロロホルム)→テトラクロロメタン(四塩化炭素)
☆光や熱により、塩素ー塩素間の共有結合は分かれ、不対電子をもった塩素ラジカルになり、連鎖反応を起こす。

■メタンの性質
@天然ガスの主成分→都市ガスに利用。
A微生物がセルロースなどを分解してメタンを主成分とするガスを発生させる。(天然に多く存在)
B常温・常圧で無色、無臭安定な気体。

■アルケンの名前
・アルカンの語尾を変化させて「エン」をつける。
・異性体ができるものは、アルカンと同じように主鎖の炭素原子に番号をつけて、二重結合している炭素原子の番号の小さいほうの数字を使って名前をつける。

■国際命名法と慣用名
・名前の付け方は国際命名法によって決まっているが、それ以前に慣用名で呼ばれていたもので、残っている名前の代表は エチレン(エテン)、プロピレン(プロピン)、アセチレン(エチン) 。

■アルケンの性質
@酸化しやすい。(酸化開裂反応)
A付加反応しやすい。
B付加重合反応。

■アルケンの製法
@アルコールの脱水。
Aアセチレンの水素付加。
Bハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素。(あまりでない)

■アルケンの酸化
☆酸化の2つの違いは頻出。
@オゾン酸化。
・二重結合がきれ、カルボニル化合物になる。
A過マンガン酸カリウム酸化。
・二重結合がきれ、カルボニル化合物になる。官能基に水素がある場合、さらに酸化されアルデヒドになる。(ギ酸の場合にはさらに二酸化炭素と水になる。)

■エチレンの性質
@常温・常圧で無色、微甘臭 
A野菜や果物が自ら発生する。(成長促進させる働き)
B石油成分の一部であるナフサの高温熱分解。

■エチレンの製法
・実験室
@エタノールを濃硫酸下で加熱。
Aクロロエタンを水酸化カリウムと反応。

■エチレンの確認法
・二重結合の検出・・・…臭素の脱色作用。
☆臭素水(Br 2 :赤褐色)に溶かすと二重結合→単結合になり、臭素と反応する。⇒Br 2 が消え、無色透明の液体になる。

■エチレンの誘導体
@水素を付加→エタン(触媒:ニッケルなど)
A水を付加→エタノール
B塩素を付加→1.2−ジクロロエタン→熱分解 塩化ビニル→ポリ塩化ビニル
Cベンゼンを付加→エチルベンゼン→脱水素 スチレン→ポリスチレン

■アルキンの名前
・アルカンの語尾を変化させて「イン」をつける。
・エチンの慣用名はアセチレン。

■アルキンの性質
@付加反応。
A付加重合反応。
☆アセチレン以外はあまりでない。

■アセチレンの製法
・炭化カルシウム(CaC2 )と水を反応させる。
・CaC2 +2H2O→Ca(OH)2 +C22
☆無機物から有機物を作る最も有名な方法。

■アセチレンの性質
@常温・常圧で気体。
A火をつけると明るい炎を出して燃える。
B付加反応をする。
C置換反応をする。 

■アセチレンの付加反応
@水素A水B塩化水素C酢酸D付加重合は頻出。
☆アセチレンの三重結合は付加反応を起こしやすい。
@ニッケルを触媒として水素を付加させるとエチレンになり、さらに水素を付加させるとエタンになる。
B、CH-Y型の分子、塩化水素を付加させると塩化ビニルになり、酢酸を付加させると酢酸ビニルになる。塩化ビニルや酢酸ビニルは合成高分子化合物の原料として用いられる。
A水を付加させるとビニルアルコールとなるが、きわめて不安定であるため、ただちにアセトアルデヒドに変化する。(頻出)

■アセチレンの置換反応
・別名、アセチリドの生成。三重結合の検出反応。
@ アンモニア性硝酸銀水溶液 に通すと、銀アセチリド( 白色沈殿 )が生成。
A アンモニア性塩化銅 と反応し銅アセチリド( 赤色沈殿 )が生成。

■アセチレンの重合反応
・3分子が重合して ベンゼン が生成。

■官能基
・ある特定の化学的性質をもつ原子団。※20種類以上ある。

■官能基の異性体
@アルコール⇔エーテル
Aアルデヒド⇔ケトン
Bカルボン酸⇔エステル
☆上記の官能基はお互い異性体が存在する。

■臭素水
・エタンに臭素水を作用させると臭素の色が消える。
★理由
・不飽和結合にBr2 (I2)が付加して脱色したため。
※飽和結合でも 光の存在下 では置換反応が起こり、臭素の色が消える。

■幾何異性体と沸点
・幾何異性体では、分子構造が異なり、分子間力のききかたが変わるので 沸点は異なる 。