■電気分解 ・電解質の水溶液や融解液に電極を入れ、外部から電流を流して化学変化を起こさせること。 ■電気分解と電池 ・電池とは、電極自身による酸化還元を利用して電流を取り出す装置。 ・電気分解とは、外部から加えられた電気エネルギーによって、強制的に化学変化を起こさせること。 ■水溶液の電気分解と電気伝導性 ・ 水は電気をほとんど通さない ので、酸化・還元されにくい電解質(硫酸や水酸化ナトリウム)を加えて電気を通しやすくする。 ・弱酸である酢酸は、強酸の塩酸より電離度が小さい。よって、酢酸水溶液中のイオン濃度が小さいため、塩酸より電気を通しにくい。 ■陰極・陽極 ・直流電源の負極につないだ電極を陰極 、 正極につないだ電極を陽極と言う。 ■電子の流れ ・電子は陰極に流れ(電子を受け取るので還元反応)、陽極から吸い取られる。(電子を放出するので酸化反応)。 ■電気分解の難易 ・ 金属イオンではイオン化傾向の大小 、 非金属では電気陰性度の大小が関係する。 ■陰極での反応 ・最も還元されやすい陽イオン、つまり、イオン化傾向の小さい金属イオンから還元される。 ■陽極での反応 ・電子を奪われる酸化反応が起こるが、最も酸化されやすい陰イオン、つまり構造が簡単な単原子イオンから酸化される。 ☆例……@ハロゲン化物イオンがある場合はハロゲンの単体が生成。 A硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどの多原子イオンがある場合には水分子自身が酸化されて酸素が発生する。 ・2H2O→O2 ↑+4H+ +4e− ■ハロゲン化物イオン ・複数のハロゲン化物イオンがある場合、電気陰性度の大きいものほど電子を引きつける力が強く、電子を放出しにくい。 ■融解塩電解 ・Na+、Mg2+、Al3+ などイオン化傾向の大きい金属イオンは、水溶液の電気分解では還元されない。よって、これらの単体は、その塩の融解液を 電気分解(融解塩電解) することでしか得られない。 ■主な水溶液の電気分解 @塩化銅(U)水溶液 ・陰極:Cu2++2e− →Cu ・陽極:2Cl− →Cl2 +2e− A水酸化ナトリウム水溶液 ・陰極:2H2O+2e− →H2+2OH− ・陽極:4OH− →2H2O+O2 +4e− ☆上記式より結局、水が電気分解されている。 B塩化ナトリウム水溶液 ・陰極:2H2O+2e− →H2 +2OH− ・陽極:2Cl − →Cl2 +2e− ☆陰極側の溶液ではOH− の濃度が大きくなり、溶液中の電荷のバランスを保つように、陽イオンであるNa+ が 陽極側から移動してくる。よって液中にはNaOHが生成していて、電解後の陰極液を濃縮するとNaOHの結晶を 製造することができる。 C硫酸銅(U)水溶液 ・陰極:Cu2+ +2e− →Cu ・陽極:2H2O→O2 +4H+4e− ■水の電気分解 ○陰極: ・水溶液が酸性の場合:2H+ +2e− →H2 ・中性・塩基性の場合:2H2O+2− →H2 +2OH− ○陽極: ・水溶液が酸性の場合:2H2O→O2 +4H+4e− ・中性・塩基性の場合:4OH− →O2 +2H2O+4e− |