■アレーニウスの酸・塩基の定義
・酸:水溶液中で電離して水素イオンを生じる物質
・塩基:水溶液中で電離して水酸化物イオンを生じる物質

■ブレンステッドの酸・塩基の定義
・酸:相手に水素イオンを与える物質
・塩基:相手から水素イオンを受け取る物質

■水溶液中での水素イオン
・水溶液中では水素イオンはオキソニウムイオンとして存在している。

■中和反応
・酸と塩基が反応して水を生じる反応。その際に水の他にできるものを塩という。

■塩基とアルカリの違い
・塩基のうち,水に溶けやすいものアルカリという。

■酸と塩基の反応
@水酸化物+酸
A金属酸化物+酸
B非金属酸化物+塩基
の3つの反応がある。
・酸化物の反応(A,B)がでてきた場合には,水をつけて(金属酸化物は水酸化物に非金属酸化物はオキソ酸になる)直してから書くとわかりやすい。
☆水酸化物(例:Ca(OH)2)は読んで字のごとく,水をとったら(-H2O)酸化物(例:CaO)になる。

■PHのイメージ
・−1…工業用の酸 0…便器、浴室の洗剤 1…胃酸 3…コーラ、ワイン 6…雨水 7…純粋、血 8…海水 13…漂白剤

■酸性の水溶液を薄めると?
酸性の水溶液をいくら薄めても、酸性であることは変わらない。塩基性にはならない。

■塩(えん)
・中和反応によって生じるイオン結晶のこと。塩は塩基に由来する陽イオンと酸に由来する陰イオンから成る。

■特殊塩
・硫酸水素ナトリウムは強酸と強塩基からなる塩にもかかわらず酸性を示す。

■正塩
・正塩は水に溶かすと強い方が勝つ。(強い方の液性になる。)

■弱酸の塩とは?
・弱酸の塩とは弱酸からできた塩のこと。「弱酸性の塩」のことではない。

■酸性と塩基性
・水酸化ナトリウムが塩基性、硫酸が酸性になる理由。
★理由は電気陰性度の差。
・NaOHはNa−Oのところが一番電気陰性度の差が大きいので、分かれる。→OH を出す→塩基性。
・H2SO4 はO−Hのところが一番電気陰性度の差が大きいので、分かれる。→H を出す→酸性。

■強塩基の覚えかた
・「バカかな?」と覚える。
バ      カ       か    な?
Ba(OH)2   Ca(OH)2   KOH  NaOH

■塩の水溶液の液性
・強酸と弱塩基との反応によって生じた正塩の水溶液は,加水分解によって酸性を示す。
・強塩基と弱酸との反応によって生じた正塩の水溶液は,加水分解によって塩基性を示す。
・強酸と強塩基との反応によって生じた正塩の水溶液は,加水分解が起こらず中性を示す。
☆試験頻出の要注意の塩
NaHCO3は塩基性NaHSO4は酸性を示す。

■中和滴定のおける量的関係
・酸の水素イオンの物質量=塩基の水酸化物イオンの物質量
すなわち
・酸の物質量×その価数=塩基の物質量×その価数

■滴定で使う実験器具の試験頻出問題
@ビュレットやホールピペットは,その内部を蒸留水で洗った後,滴定に用いる水溶液で洗って(共洗いという)使用する。
Aコニカルビーカーやメスフラスコは,その内部を蒸留水で洗い,そのまま使用する。
Bビュレットの目盛りを読むときの視線は,チェック!
Cビュレット,ホールピペット,メスフラスコなど,溶液の体積を正確に測りとるためのガラス器具は,すすいた後は濡れたまま用いてよく,加熱乾燥はしてはいけない。

■緩衝溶液
・弱酸と弱酸の塩または弱塩基と弱塩基の塩の混合溶液のこと。

■弱酸溶液を水で薄めると?
@電離定数⇒変化なし。
A電離度⇒大
B水素イオン濃度⇒小

■酸化力のある酸
・酸化力のある酸とは硝酸や熱濃硫酸の2つ。NO3− 、SO42− が不安定で電子を欲しがるから。

■間違えやすい酸の価数
・シュウ酸は2価の酸。

■標準溶液
・中和滴定の際に使う正確な濃度の溶液を標準溶液という。

■固体の水酸化ナトリウムの質量が正確に計りとれない理由。
・ 潮解性 があり、また空気中の二酸化炭素とも反応しまうから。

■シュウ酸水溶液
・水酸化ナトリウムの正確な濃度を求める滴定には、正確な濃度の溶液を作れるシュウ酸水溶液をつかう。

■炭酸ナトリウム水溶液
・塩酸の正確な濃度を求める滴定には、正確な濃度の溶液を作れる炭酸ナトリウム水溶液をつかう。

■潮解性
・空気中に放置すると、水分を吸収して溶けてしまう現象。
・極めて水に溶けやすい結晶で起こりやすい。(陽イオンと陰イオンの結合が切れやすく、そこに水分子が強く割り込んで水和する必要がある。水酸化ナトリウムは電気陰性度の差が大きく結合が切れやすい。)
☆覚えなければいけない代表例……水酸化ナトリウム、塩化カルシウム(タンスにゴン: その吸収力はシリカゲル、生石灰の 5倍もある。) 他、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム。

■風解性
・結晶水の一部を失って乾燥する現象。
☆覚えなければいけない代表例……炭酸ナトリウム十水和物。

■湿度とは?
・100%とは空気の中に100%水蒸気(水の気体状態)があるわけではない。
実は湿度は2つの表し方がある。それは 絶対湿度 と 相対湿度 。普段耳にするのは 相対湿度 。
相対湿度 :空気中に含まれることができる限界量(飽和絶対湿度)の 量に対し、どれだけの水蒸気量(絶対湿度)が あるかの割合%で表す。結露の問題は、この相対湿度が100%を超えたときに発生する。
(絶対湿度:空気中に含まれる気体の水(水蒸気)の量(絶対量) つまり、実際にどのくらい、空気中に水蒸気があるかを表す。g/kgで表す。)

■結露とは?
・空気には、ある一定の量の水(水蒸気)が溶け込むことができる。たとえば、20℃であれば、1kgの空気に対して、 16gの水蒸気が溶け込むことができる。そして、この溶け込める量は、温度によって違う。温度が高いほど、たくさんの水が溶け込むことができる。逆に温度が低いと溶け込める量は少なくなる。もし、空気中に含むことができる水蒸気量の限界値を超えてしまったら、限界を超えた分の水蒸気は水(液体)になってしまう。これが結露という現象。

■指示薬の選び方
・中和点が塩基性の場合、指示薬は塩基性に変色域をもっている フェーノールフタレイン をつかう。

■指示薬の覚え方
☆文字数で覚える。
・ メチルオレンジ はメチルが3文字、オレンジが4文字。 ∴約3から4。
・ フェノールフタレイン は全文字数10、(ェとーを除けば8文字)。 ∴約8から10。

■市販の食酢
・市販の食酢のモル濃度は約4.3%。

■中和滴定の3つの大きな柱
@ 中和
(@)弱酸と強塩基
・酢酸と水酸化ナトリウム
(A)弱塩基と強酸
・アンモニア水と塩酸
※強酸、強塩基は簡単、弱酸と弱塩基では中和点がはっきりしないので滴定できない。

A 逆滴定は下記2つをマスターする
(@)アンモニアの定量
(A)二酸化炭素の定量

B 二段滴定は下記3つをマスターする
(@)水酸化ナトリウム・炭酸ナトリウム混合溶液
(A)炭酸ナトリウム水溶液
(B)炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム混合溶液

■逆滴定とは?
・気体は,液体と異なり体積を測るのは困難となる。そこで,気体(例えば,タンパク質の分解により生ずるアンモニアNH3)を滴定するためには,滴定する気体に対して過剰の標準試薬(例えば,NH3ではH2SO4などの酸)に完全に吸収させ,標準試薬の過剰分を第2の標準試薬(NH3の場合は余っているのが酸だからNaOHなどの塩基を用いる)で滴定し,物質量を決定する。 このように,通常の中和滴定と異なり,酸(塩基)を滴定するのに塩基(酸)を用いていないことになり,このような方法を逆滴定という。