■塩化物イオンとの反応 ・沈殿する物質は2つは頻出。特徴まで覚える。 ○沈殿 AgCl(白)→@光を当てると黒変。(銀の単体ができるため) →Aアンモニア水に溶け、ジアンミン銀(T)イオンになる。 PbCl2(白)→熱湯に溶ける。(温度を上げると溶解度があがるから) Hg2Cl2(白)※試験にはあまり出ない。 ■硫化物イオンとの反応 ・スズから銀(イオン化傾向)までは液性によらず沈殿する。 ・亜鉛、鉄、ニッケルは塩基性であれば沈殿する。(塩基性にする→溶液中の水素イオンの濃度が低くなる。→平衡が右に移動→硫化物イオンの濃度があがるため。)☆つまり塩基性にすると硫化物イオンの濃度があがり、ある程度の濃度がないと沈殿しないということ。 ・亜鉛よりイオン化傾向が大きいものは、液性によらず(硫化物イオンの濃度が高くても)沈殿しない。 ・沈殿の色は基本的には黒。☆例外……ZnS(白)※亜鉛の化合物は白が多い。MnS(ピンク)、CdS(黄色)。 ■水酸化物イオンとの反応 ・水酸化物イオンとの反応とは弱アルカリ性での反応と考えてよい。 ○沈殿 マグネシウムイオンから沈殿ができる。 ・Mg(OH)2は温度を上げると溶ける。 ・Ag+ 、Hg+ はいったん水酸化物沈殿ができて、すぐに酸化物の沈殿に変わる。(イオン化傾向が小さい→電気陰性度が大きい。→酸素との電気陰性度の差が小さくなり、原子間の共有結合性が強まり水分子がとれるため) ・沈殿の色は基本的には白。☆例外……Fe(OH)2 (緑白色)、Fe(OH)3 (赤褐色)、Cu(OH)2 (青白色)、Ag2O(褐色)) ■過剰のアンモニア水との反応 ・沈殿していた物質に過剰のアンモニア水を加えて溶けるものは、銀と亜鉛と銅(ニッケルはあまり試験にはでない。) ・銅はテトラアンミン銅(U)イオンになり、水溶液の色は深青色(濃青色)。亜鉛はテトラアンミン亜鉛(U)イオンになり無色、銀はジアンミン銀(T)イオンになり無色。 ■過剰の水酸化ナトリウム(強アルカリ性)との反応 ・沈殿していた物質に過剰の水酸化ナトリウム水を加えて溶けるものは、両性元素であるアルミニウム、亜鉛、スズ、鉛。☆なぜ溶けるかは三次元的錯イオンの形を考えて覚える。 ■炭酸イオンとの反応 ○沈殿 ・CaCO3 (白)、SrCO3 (白)、BaCO3 (白) ・実はアルカリ金属イオンとアンモニウムイオン以外はすべて沈殿する。 ・頻出はアルカリ土類金属の3つで色はすべて白。 ★硫酸塩沈殿と炭酸塩沈殿との判別法 ・塩酸などを加えて泡(弱酸塩が強酸によって遊離して二酸化炭素が発生)がでたら、炭酸塩、出なかったら硫酸塩。 ■硫酸イオンとの反応 ○沈殿 ・CaSO4 (白)、SrSO4 (白)、BaSO4 (白)、PbSO4 (白) ・アルカリ土類金属と沈殿する。(CaSO4 、SrSO4 、BaSO4) ・沈殿の色はすべて白。 ・PbSO4 は鉛蓄電池ででる。 ・CaSO4 は石膏(セッコウ)。 ☆カルシウムイオンの反応 ・CaSO4 は沈殿するとしている。しかし、溶解度(20℃)は100gで0.298g。 Ca(OH)2 は溶解するとしている。しかし、溶解度(20℃)は100gで0.126g。つまり、溶解度がCaSO4 >Ca(OH)2 なのに、矛盾している。 ・CaCO3 は水にほとんど溶けない。しかし、二酸化炭素を加えると、炭酸水素カルシウムになり、水に溶ける。 ■クロム酸イオンとの反応 ・クロム酸イオンの水溶液の色は黄色。(陰イオンで水溶液で色があるのは珍しい。) ・水溶液中でクロム酸イオンとニクロム酸イオン(橙色)が平衡状態になっている。 ○沈殿 Ag2 CrO4 →(赤褐色) PbCrO4 →(黄色) BaCrO4 →(黄色) ■錯イオン ・金属イオンの最外殻に配位子が決まった場所に決まった数、配位結合した物質。 ■配位子 ・非共有電子対をもつ粒子。 ☆H2O、OH− 、NH3 、Cl− 、CN− 、S2O32− 、SCN− ■配位数 ・入試ではほとんど2,4,6配位、金属イオンと配位数は1対1で対応すると考えてよい。(※実際にはニッケルは4配位、6配位をとる。また錯体が複数の種類の配位子を持つこともある。) ☆配位数は、そのイオンの価数の2倍と覚える。(例外:Fe2+ 、Ni 2+ は6配位)※高校段階 ■金属イオンと配位数と錯イオンの形 ・銀イオン→2→直線形 ・銅イオン→4→正方形 ・亜鉛イオン→4→正四面体 ・銀イオン→2→直線形 ・鉄イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、クロムイオン→6→正八面体 ■Fe2+ とFe3+ の区別 @水溶液の色→Fe2+ は淡緑色。Fe3+ は黄褐色。 A酸化剤を加える→Fe2+ はFe3+ になり黄褐色になる。Fe3+ は変化なし。 B水酸化物沈殿→Fe2+ はFe(OH) 2 (緑白色)、Fe3+ はFe(OH)3 (赤褐色)。 CKSCN(チオシアン化カリウム)との反応 Fe2+ は変化なし。Fe3+ は血赤色溶液になる。 D(@)ヘキサシアノ鉄(U)酸カリウム水溶液との反応。Fe2+ は(白色沈殿)、Fe3+ は濃青色沈殿。 (A)ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム水溶液との反応。Fe2+ 濃青色沈殿、Fe3+ は(赤褐色液)。 ■炎色反応 ・車に積んである非常用の発炎筒赤色の炎はストロンチウム。 |